最先端のAIをだます協力型お絵描きパーティーゲーム!このゲームでは2〜6人が協力してAIに挑みます。それぞれのプレイヤーには「ネコ」や「資本主義」といった秘密のお題が与えられ、このお題を人間のプレイヤーには理解できるが、AIには理解できないように描くことができれば人間たちの勝利です。SteamでWindows/Mac向けに2025年初頭にリリース!
各ラウンドではプレイヤーの1人が描き手となり、「概念」や「いきもの」のカテゴリーから秘密のお題を選択します
描き手は選んだお題をAIにはバレないが、でも一緒に遊ぶプレイヤーたちには伝わるように工夫して描きましょう!
絵が完成したら、AIと他のプレイヤーが描き手が一体なにを描いたかを予想します。
AIが不正解で、人間チームの誰かが正解すれば人間チームの勝ち!でも、AIが正解してしまうと、人間が正解していても、そのラウンドは人間チームの負けです。
「outdraw.AI」は、人工知能と人間の創造性の関係を探求する「デビエーション・ゲーム」シリーズの作品です。このシリーズは、コンピュータサイエンスの父アラン・チューリングが1950年に考案した「イミテーション・ゲーム」の概念を現代に発展させた実験的なプロジェクトです。イミテーションゲームは、「機械は考えることができるか」という哲学的な問いを検証可能な形に置き換えた実験です。人間の判定者が壁越しに人間の真似をするコンピュータと会話をし、もし相手がコンピュータだと見破れなければ、そのコンピュータは「人間らしい知性がある」とみなすというものです。この考え方は後にチューリングテストとして広く知られ、人工知能研究における最も重要な実験の一つとなりました。
しかしアランチューリングの時代と比べ、最新の生成AIは、画像生成や文章執筆など、人間の知的活動を驚くほど正確に模倣できるようになっています。歴史を振り返ってみると、このような新技術の登場は人間の表現を置き換えるのではなく、むしろ新たな表現の可能性を開くきっかけとなってきました。例えば、19世紀に写真機が発明されたことがゴッホやモネに代表される印象派の台頭に大きく貢献したように、人間は技術による「模倣(Imitation)」に対して、新しい「逸脱(Deviation)」した表現で応答してきました。デビエーション・ゲームのシリーズは、この模倣と逸脱の関係に着目し、AIと人間の役割の再定義を試みます。具体的には、AIを過去を再生産する模倣的な道具としてではなく、「とある表現が過去に存在したかどうか」を判別する識別器としての役割に注目します。
このプロジェクトでは、AIの学習済みデータセットに未だ取り込まれていない新たな表現や解釈を生み出すことが人間側に求められます。私たちはAIを人間の創造性を置き換えるものではなく、創造性を高める道具として捉えています。過去の模倣が得意であるAIを使って何かを安易に生成するのではなく、とある表現が過去に存在したかどうかをAIに識別させることで、過去から逸脱した人間の表現の可能性を探っていきます。
このプロジェクトは、メディアアーティストでありゲーム開発者の木原共と、アートユニットPlayfool(ダニエル・コッペンとマルヤマ・サキ)を中心とするチームによって開発されました。これまでにも木原共とPlayfoolは、遊びを軸に創造性を育むツールのデザインや、都市空間や社会に働きかけるアート作品の制作を通じて、世界中の様々なアワードで高い評価を得てきました。直近では『How (not) to get hit by a self-driving car』が、世界的なアートや先端テクノロジーの祭典であるアルス・エレクトロニカのS+T+ARTS Prize 2024にてHonorary Mentionを受賞しています。
本作は2022年にシビック・クリエイティブ・ベース東京[CCBT]でのアートインキュベーションプロジェクトの一環として、『デヴィエーションゲーム ver 1.0』という名前でスタートしました。これまでにアルス・エレクトロニカ(リンツ)、Now Play This(ロンドン)、Taipei Digital Art Festival(台北)など、世界的な展示やイベントで公開され、あらゆる年齢層の観客を魅了し、AIと創造性についての重要な議論を喚起してきました。『outdraw.AI』は、木原とPlayfoolにとって初めて開発し、自らパブリッシングするインディーゲームとなります。
Playfoolは、ダニエル・コッペン(英国)とマルヤマサキ(日本)によるアート・デザインユニット。あそびを媒介に、社会とテクノロジーとの関係性に介入する。実践手法は、プロダクトの制作から、インスタレーション、マルチメディア制作と幅広く、あそびの探索的で緊張感のある特性を強調しながら、テクノロジーと批判的に関わるスペースを創り出す。Playfoolの作品は世界的に評価され、主な受賞歴にDezeen Award (2021)やSTARTS Prizre (2024)がある他、作品はVictoria and Albert Museum (London, 2023)やArs Electronica (Linz, 2024)などで展示されている。
Project by
Credits for outdraw.AI
Credits for Deviation Game ver 1.0